2人の子どもを育てた自分の経験をもとに、毎月子育てコラムを掲載します。
2023年11月
伸び盛りの子ども達
「せんせい、はがぬけたよ!」
と、登園時に年長児が教えてくれました。
のぞいて見ると、並んだ前歯の間から少し奥まったところに、永久歯が一本顔をのぞかせていました。永久歯のてっぺんは、ギザギザしていて固くて強そうです。
バスが戻ってくると、乗車していた先生にも
「はがぬけた!」と嬉しそうに話しています。
「ほんとだ、ずっとぐらぐらしてたもんね。よかったね!」
と、一緒に嬉しい気持ちを共感してくれました。
歯が1本抜けることも、子ども達にとっては、一大ニュースなのです。幼稚園は幸せなところだなあと思いました。
活動している子ども達を見ていると、しみじみとした気持ちがこみ上げてくることがあります。体操の時、年長児はとてもかっこよく見えます。空に向けてすっと伸びた腕が印象的です。
ああそうか、大きくなると手足がどんどん伸びてくるからなんだと、改めて気付かされます。赤ちゃんがバンザイをしながら寝ている姿はとてもかわいいものですが、それからたった5年でこんなにも成長するのですね。改めて人間ってすごいなあと思います。
そんな園児達を見ながら、すっと昔の光景がよみがえってきました。
それは、幼い我が子が1人で頭を洗えるようになった時のこと。息子は腕を一生懸命伸ばして、シャンプーで泡あわになった頭をゴシゴシこすって格闘しています。その時は、腕がようやく頭の先に届くくらいだったように思います。
私は湯船につかり、大きくなったなあと思いながらそれを眺めているという光景です。
何年経っても瞬時にその頃の気持ちを思い出せるのですから、親って楽しいですね。
ということで、幼稚園時代は、体の様々な部分が著しく成長する時です。
時間があったら、昔の写真を見せてあげてください。スマホの中に入っている写真でもいいのです。自分達が大きく様々に成長していることを実感できることが大切ですね。
表現力も伸び盛りです。自分の体をどう動かしているのか、把握する力も付いてきます。
それだけではなく、友達の動きも見て学び、聞いて学んでいきます。
次の大きな活動は、お遊戯会。
発表する当日だけではなく、それまでの過程がとても大切です。
クラスや学年ごとに見合う様々な「お客さんごっこ」の最後に、「どうですか」「○」の定番のやりとりをしますが、その後に、自分で考えた言葉が続くことがあります。
「はやかったよ。」「かっこよかったよ。」「明日がんばってね。」
お兄さん、お姉さんからのそんなすてきな言葉をもらって嬉しそうな年少・年中児。
各クラス、どんな遊戯や劇ができあがるでしょうか。楽しみですね。