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過去のコラム

おざわ幼稚園副園長の小澤理加です。
2人の子どもを育てた自分の経験をもとに、毎月子育てコラムを掲載します。

2016年08月

見えない怖さ

6月に屋上床の貼り替え工事をしました。50周年にむけて航空写真を撮影した時期と重なったため、できあがった写真にも屋上に置いた機材が写っています。
すでに工事は終了し、ぴかぴかの屋上に生まれ変わりました。
屋上は、昼食を食べに行ったり景色を見たりするくらいで、園児はあまり行かない場所ですが、この工事に対するこども達の反応が面白かったのです。
広場奥の芝生に大きいクレーン車が入ってくると、男児は柵に鈴なりになって目をきらきらさせて見ていますが、女児は近くで遊んでいても、「我関せず」でいつものままごと遊びを楽しんでいます。子ども達の興味関心は、個々でこんなにも違うものなのですね。
ある朝、年中児がべそをかきながら、先生にだっこされてきました。
「お願いがあるんだよね。」
何かな?
「…工事の音、小さくしてください…。」
ははあん、なるほど、そうだろうな…。
工事をする際に、活動中は、音の出る作業を極力控えてもらっていましたが、その日は朝のうちだけ、年中組保育室の真上でコンクリートを砕く作業をしていたのです。びっくりして怖くなるのも当然ですね。
許可をいただき、その子を連れて屋上の様子を見に行きました。屋上入口から、作業中のお兄さん達が小さく点々と見えました。
「ほら、あそこの遠くにいるお兄さんが、○君のお部屋の上で工事をしてくれていたんだね。見えた?」
工事の方も、気付いてこちらを見てくれました。しばらく見ていて納得し落ち着いたので、保育室まで戻って、もう一度工事の音を確認しました。
「ほら、この音が屋上にいたお兄さんのお仕事の音だね。」
うんと頷いた園児の顔は、もう先ほどとは違います。大丈夫だと分かると、安心して園庭へ笑顔で遊びに行きました。
子ども達は、想像が膨らみ、時には大人が思う以上に恐ろしく感じることがあるようです。
避難訓練の非常ベルの音もその一つです。大人でもドキッとする音ですが、これは大切な音。訓練の度に流しています。緊張感を持ちながらこの音に慣れ、この音がしたらいつでもどこにいてもすぐ避難するということを覚えてほしいと思っています。子ども達は、繰り返し練習していると、「ピンポンパンポーン」と放送のチャイムが聞こえるだけで、どこにいても動きがピタッと止まり、聞き耳を立てるようになります。見事なものです。
園庭で遊んでいても、「先生、給食注文だって。」と教えてくれるほど、放送をしっかり聞くようになります。
音だけではなく、活動についても同じです。
お泊まり会を前に、今年も「おとまりしない…」と言うつぶやきが聞こえてきました。
それは、お母さんのいない夜の幼稚園を想像しただけでも、不安がよぎるから出てくる言葉です。そこで、事前に、どんなことをするのか活動の流れを紙芝居のように説明したり、キャンプファイヤーの歌や踊りを練習したりして、活動の見通しが持てるようにしています。
心配していらっしゃる保護者のみなさん、ご安心くださいね。きっとお泊まり会が終わり、迎えに行った朝に、「もう一回幼稚園に泊まる!」の笑顔に出迎えられることでしょう。
何を隠そう、我が子もそうでしたから(笑)。

2021年10月

うれしさ倍増!!

緊急事態宣言が開け、すぐに日常生活が戻ってくるわけではないけれど、徐々にできることや行動範囲が広がることが嬉しいですね。
子ども達とハグしたり手を繋いだりすることも、またそのうちできると思うとうれしさ倍増です!
触れ合ってはじめて伝わる感情もあります。早く様々なことがOKになってほしいものですね。その時には、その喜びをゆっくりかみしめたいと思います。

現在はそれぞれのご家庭の環境に合わせて通園していただいていますが、お休みしていた園児達もだいぶ登園できるようになってきています。
1学期に「お母さん、すぐ来る?」と、朝から不安そうにしていた年少児が、しばらくぶりに登園した時のことです。それを思い出して、一緒について行こうとすると、
「自分で行けるよ。」
とお母さんのことを振り返ることもせず、一人で担任のところへ向かいました。
これぞ、成長ですね! 
こんなこともありました。
運動会前の週に、年長組へ届け物に行くと、保育室内いっぱいにバルーンが広がっていました。上履きを脱ぎにベランダに出てくる子もいます。
「へえ、楽しそう!これから何するの?何の遊び?」
と、声を掛けると、
「遊んでるんじゃないよ。バルーンのお掃除。」
そう言って、ぬれ雑巾を見せてくれました。
よく見ると、運動会で使うクラスのバルーンをみんなできれいに拭いているのでした。
丁寧に心を込めて拭いたから、「クラスのみんなで、バルーンを成功させるぞ!」という意識がより一層高まったことでしょう。
台風接近の日も、1クラスずつホールで練習していました。どのクラスも、心を一つにして頑張っていました。運動会本番では、4クラスともに空気がいっぱい入って膨らんだ「風船」など、練習のどの時よりも一つ一つの技が決まっていました。
全員がピタリと「止まる」、「進む」の気持ちを合わせないと決まらない技もあるのですが、子ども達が集中していて、園庭に見事な4つの花を咲かせることができましたね。
今年の年長組は、友達と組む必要のある「組体操」も、バルーンの中に潜り込んで完成する「かまくら」という技もすることはできませんでしたが、その代わりに取り組んだ「ソーラン節」などの活動で得たものは、それ以上に大きかったと感じました。
年中組も同様に、真夏のような暑さの中でねばり強く「走り」「投げ」「踊る」ことができました。頑張る気持ちがしっかり育ち、強くなったなと嬉しさ倍増です。
年少組は天気に悩まされましたね。延期になっても毎日楽しそうに踊って見せてくれました。当日は、元気一杯に頑張っている姿に入園から半年間の大きな成長を見ることができました。
様々なシーンで、子ども達の成長に出会うことができる幼稚園。
次の大きな行事は「お遊戯会」。今度はどんな驚きが待っているのか楽しみですね。

2022年11月

大人と違う 子どもの感覚

保護者の皆様のご協力により、「ぼうけんタイム」が無事に終了しました。特にPTA本部や係の皆様には、大変お世話になりました。心から感謝申し上げます。
久しぶりの親子活動で、私達教員もドキドキしながら参加しました。係の感想を読ませていただくと、親子で楽しんでいただけたことが、それぞれの言葉で伝わってきました。
その中に、ひとつ…

~係の方の感想より~
子どもの普段見れない様子が見れて楽しかったです。
大人と違い、スタンプを全て埋めたい母と好きな場所だけで良い子どもとの戦いが少しありました。(年少組保護者)

なるほど、鋭い観察力ですね。
「大人と違い…」と、気付いてくださいましたね。
係をしながら、様々な親子と触れ合う中でお感じになったことだと思います。
私も 「ぼうけんカード」を見せてもらいながら会話しましたが、「あと2つ…」とコンプリートしたいお母さんと、意思表示もはっきりと「好きなところだけでいい。これでいい!」と満足げな園児の様子に出会いました。
子ども達の感覚(達成感)や楽しむ気持ち(満足感)は、大人とは少し違うようです。

箱を二か所テープでとめただけの廃品制作。大人には何やらさっぱり分かりませんが、
聞いてみると「カメラ」だったり、「車」だったり、「ロボット」だったりするのです。
自分で目的意識を持ってつくり、それをカメラや車に見立てて遊ぶことは、今後の成長(想像力・創造力)につながります。生活している中で、「???」と思ったら、まずは「お話しして」と、耳を傾けてみてください。意外な答えが返ってくるかもしれませんね。

昔話は、よくよく考えてみるとぎょっとするような内容が結構含まれています。
狼が出てくるお話は、だいたい主人公が狼に食べられそうになるお話です。
「舌切り雀」…題名の通り、舌を切られてしまう話です。
「シンデレラ」…原作は、「ガラスの靴に合わせて、かかとを削って無理矢理履こうとしたお姉さん」が出てくるお話で…
けれども、子ども達は、そのようなことも、さらりと受け止めることができます。
「意地悪おばあさん」よりも、「やさしいおじいさんと子雀」の方に意識が向きますし、ガラスの靴が履けなかったお姉さんよりも、シンデレラが「履けてよかったね!」と、感じることができます。
お遊戯会も、もうすぐそこまで来ています。
クラスのお話(演目)は、楽しめていますか? 
降園時、ベランダでクラスごとに待っている赤バッジの園児達。誰かがどこかの場面を鼻歌で歌い出すと、近くの子ども達が顔を見合わせ、ニコッと笑顔と歌が広がっていきます。
覚えているのですね。そして、友達と一緒に楽しんでいるのですね。
歌や踊りを「もう一回!」と、自分からリクエストする子ども達。
本番をお楽しみに!!!

2022年12月

うしろへ一歩

保護者の皆様のご協力により、お遊戯会が無事に終了しました。誠にありがとうございました。参加した園児も、参加できなかった園児も今までの頑張りが次の活動に向けての意欲につながります。また楽しめるといいですね。

お遊戯会リハーサルの前、年少組での会話です。
「先生も、前で踊るから大丈夫よ。」を受けて、
「おゆうぎかいのひも、せんせいおどる?」
と、女の子。踊らないことが分かると、
「じゃあ、先生が踊らない練習もしなくちゃね。」
と、言ったそうです。
年長組でそのような会話になることもあるそうですが、年少組でのことに担任もビックリ!
「この先どうするか」まで考えているのですね。
これまでに一人一人が成長し、自立に向けて着々と進んでいることに驚きました。
そこで、大人側の関わりについて考えてみたいと思います。
ここのところ増加傾向にある遅刻…。遅刻名簿の枠が足りなくなる日も続きました。
事情がある場合を除き、常にちょっとだけ遅れてしまう場合は、見直しが必要ですね。
遅刻すると、友達づくりにも影響してしまうことがあります。いつも同じ時間に登園する子ども達の関係づくりに加わることが難しくなってしまうからです。
何が原因なのでしょうか。
理由NO.1は、「子どもがのんびりしていて、なかなか動かないから。」
では、どのように環境を整えていけばよいのでしょう?
1.テレビはついていませんか?ゲームやスマホで遊び始めていませんか?
2.着替えが苦手だとしたらどこが難しいのでしょう。どこに時間がかかっているか観察してみてください。コツが分からないと毎日苦しくなりますね。
3.起きる時間は?徐々に小学生が行動する時間に近づけて行く必要がありますね。
4.保護者の都合は?
家事をしていて遅れてしまう場合は、その手順を変えてみませんか?洗濯は、子どもを送り出してからにするとか、帰ってきてから体操着と一緒に洗うようにするとか…
「成長に伴った環境づくり」はできていますか?
難しく考えずにその子が成長した分だけ、大人は少し下がってあげましょう。

年長組の女児が2人、寒い朝とても冷たい手をしていました。
「わぁー、冷たい!先生の手あったかいから、温めてあげる。」
と、私の手で園児の手を包むと、弟が二人いる子が「うふっ」と笑いながら、
「せんせい、ねむたいんでしょ。」
と言うのです。すごいですね。弟が眠たい時に、手が温かくなることを知っているのです。
これが経験です。生活の中で経験したことが、今後の自立に役立っていくのですね。
何でも経験、体験させましょう!大人は、少し下がりましょう。
大人がしてしまえば、すんなりできることもたくさんあるでしょう。その短縮した時間と、試行錯誤しながら経験した時間の重みは、後に大きな違いとなって自立に影響してきます。
3学期は、50日ほど。子ども達の自立に向けて、親子に関係を見直す良い機会ですね。

2023年01月

一歩前へ!!

4月から5cmも身長が伸びた年中男児が、誇らしげに言いました。
「3学期は、ねんちょうになるじゅんび」
新学期始めに先生が伝えたのだそうで、それをしっかり覚えていたのですね。顔つきも、なんだか少しお兄さんになったように感じます。

このように、3学期は子ども達の成長が様々な場面で見られる時期です。
年少組だけ前の方にまとまって座っていたバスの座席も、3学期は全学年シャッフルで座ります。大きいお姉さんお兄さんと一緒に座れるうれしさは、格別ですね。こうして、シャッフルの座席に慣れた頃、4月から一つ小さい新入園児が入ってくるという仕組みです。
帰りのバスに乗る準備をする時にも、成長が見られます。
園庭で遊んでいたバス待ちの子ども達が先生の指示で、夢のお城(総合遊具)前に一列に並び、
「年少組さん、用意どん!」
の放送で靴箱まで戻る競走を始めました。
きっと年中組の誰かもつられて一緒に走るだろう…と、見ていましたが誰も間違えません。
もちろん、「年中組さん、用意どん!」
でも年長組は動きません。最後は先生も、年長組と真剣勝負で走っていました!
なんて楽しいお帰りでしょう。園にいる最後の最後まで、「遊び」になっているのですから。

また、今月の年長組誕生会の出し物は、「シルエットクイズ」でした。
ステージの上で、プロジェクターを使い、自分達の体に紙などを貼り足して、表現するのです。寝転んだり、つなげたりして…と友達と協力して、そのものに見えるよう工夫しています。
私は、後から映像で見たのですが、子どもらしいシルエットがたくさん登場していました。
ぴょんぴょん跳んでいる「うさぎ」は、肝心の耳が画像から飛び出てしまっていたり、「富士山」の裾野がよろけてどんどん変形していったり…
中には、二人だけで「恐竜」をつくり上げた力作もありました。両腕にギザギザの紙をたくさん付けて広げて演じています。
「たこ」は、丸い吸盤を付けたたくさんの足がにょろにょろと動いていてリアルです。
「やかん」も注ぎ口が誰かの足です。答えが出るまで足をずっと宙に浮かしているのは大変!本番の前にたくさん練習もしたそうで、持っていた新聞紙などもくたくたになって動かすのにも苦労したようです。「努力賞もの」ですね。
大人が考えるきちんと整った物のかたちより、ずっとずっと楽しく創造力・想像力があり、終わった後の嬉しそうな達成感溢れる顔が、何より輝いて見えました。

幼稚園では、このような伸び伸びとした環境づくりが大切です。
その一環として、保護者の皆様には廃品の提供にご協力をいただき、溢れそうな紙袋が次々と届いています。冬休み中にたくさん集めてくださり、ありがとうございました。
それらを使って、どんな作品が生まれてくるのでしょうか。楽しみですね。
子ども達の発想を大切にしながら、「友達と一緒につくる、表現する楽しさ」をたくさん経験してほしいと思っています。
ようやく保護者の皆様にもご覧いただくことができる作品展となりました。子ども達の様子を想像しながら楽しんでご覧ください。

2023年02月

輝く子ども達!

やってきましたぁ!!
とうとう友達と顔を見合わせながら作品をつくれるようになりました。長い道のりでしたね。「折り紙ください。」「この色のテープください。」と、毎日職員室に子ども達がきました。
ほらほら、こんなに楽しそう。ほらほら、こんなにステキ!
アイデアが溢れています。それもこれも、友達とみんなで一緒につくったからできたのです。みんなで力を合わせると、ほら!こんなに素敵な作品になるのです。
作品展の前日。子ども達だけで見学した際、どの子の目にも驚きがありました。
他学年や他クラスを見学することで興味が広がり、
「ぼくもつくってみたい!」「こんなやりかたもあるんだ。」
と、一人一人が様々なことを感じたようです。
保護者の皆様にも、分散方式ではありますが、園全体の様子を見ていただくことができました。皆様の目には、どのように映りましたか?
特に、年長組は年少・年中と2年間、制限の多い日々を過ごしてきましたが、その分も含めてみんなのパワーが集結し、楽しくダイナミックな物語の世界ができました。
お遊戯会で演じた演目ですので、保護者の皆様にも分かりやすかったのではないでしょうか。
子ども達の無限の可能性を感じますね。

今回の作品展では、谷塚小・氷川小に加え、谷塚中学校の作品もお借りすることができました。家庭科の時間につくった幼児向けの手づくり絵本です。フェルトや布でつくってあり、みんな興味津々でした。
「あー、ここの(絵本)、ぜんぶみてみたい!」
と、意欲的な年長児の声も聞こえてきました。
中には卒園生の作品もあり、私も感慨深いものがありました。
「あんなに内気だった子が、こんなに素敵な生き生きした作品をつくれるようになったんだ…」
小さな園児だった頃の姿が、一気によみがえってきました。

見学しながら、いろいろな子が自分のつくった作品の話をしてくれました。
つくっている時間が本当に楽しかったのでしょうね。みんな説明するのに一生懸命です。
1学期からの作品をつなげて掲示してある学年もあり、一人一人の成長もよく分かりました。
これも、経験の積み重ねですね。楽しいことをたくさん経験することで、ちょっと難しいと思ったことにも挑戦してみようと思えるようになるのです。
作品展後に年少組に入ってみると、掲示してある「季節の木」に様々な花や虫が増えていました。作品展ではチョウチョだけだったのに、他クラスの作品にもなかったテントウムシなども加わっています。貼る場所が少なくなってきて、虫たちが重なるほど、まだまだ「つくりたい気持ち」が継続しているのです。ここが大事ですね。
作品づくりを通して、ひとりでも多くの子が「つくるの大好き!」になってくれることを願っていることを「作品展のしおり」でもお知らせしましたが、その目標は、どうやら達成されつつあるのでは…と、嬉しくなりました。
自由につくった廃品制作を持ち帰る時の保護者の苦笑い。「お母さんとしては、大きすぎてちょっぴり困るけど…、頑張ってつくったんだね。」の表情と受け止めています。もうしばらくご理解ご協力をよろしくお願いします!

2023年03月

一緒に考えていきましょう!

年度末、クラス編成中に年少組の先生が言いました。
「この子は、優しい子なんですよ。」
ある日の昼食時にシートを敷いてご飯を食べた時のこと。友達がそのままにして外へ遊びに行ってしまったシートを、誰に言われたのでもなく黙ってたたんで、片付けてくれていたんだそうです。先生は嬉しくて、
「君はいい子だね~♡」
と、ぎゅっと抱きしめて頭をなでなで。
なんだか、球場のゴミまで拾う大谷選手を思い出しました。この子は、どんな子に育つのか、今から楽しみです!

言われてすることは誰でもできますが、このように自然に自ら行動できる子になるといいですね。子ども達は、そのような友達の行動から学ぶことがたくさんあります。
そして、それをほめたり認めたりしている先生の様子からも、これはいいことなのだと学んでいくのです。
4月から、初めて大勢の友達の中で生活する新入園児。そして、新しいクラスになる進級児。クラスにはどんな友達がいるのでしょうか。ドキドキですね。
これから1年間の間には、いろいろと戸惑うこともあるでしょう。うまくいかずに悩むことも出てくるかもしれません。
そんな時は、担任の先生をはじめ、職員室の教員に声を掛けてみてくださいね。なぜなら、私達はこれまでにたくさんの子ども達と関わってきているからです。きっと、一歩前進するきっかけになることと思います。一人で悩まず一緒に考えていきましょう。
そして、卒園する時には、充実感、達成感で子ども達が満たされていることを願っています。

クラスに一人優しい子がいることで、その行動が伝染していき、やがてとても思いやり深いクラスができあがってくるのを何度も目にしています。
そこには、時間が必要です。ゆっくり育んでいきましょう。
そして、何より保護者の方々の温かいまなざしや理解が欠かせません。
小さくていいのです。保護者の皆様も視線を少しだけ広げ、我が子の近くにいる子ども達にも目を向けてみてください。
今、「この子はどのような気持ちで行動しているのか」に目を向けてみると、何か発見があるかもしれませんね。
私達も、毎日の園生活の中で、子ども達の優しさを見つけていこうと思います。
泣いている友達に優しく手をさしのべてくれる子。
迷っている新入園児を先生のところへ連れてきてくれる進級児。
プランターに咲き誇っている花々を、砂場の隅っこでひっそりと暮らしているメダカ達を大切に思ってくれている子。
そんな子ども達の様子を見つけていこうと思います。

2023年04月

ダメだ ブー

ご存じですか?
幼稚園には、「ダメだ ブー」マークがあります。
ぶたさんの鼻が×になっているマークです。
年度当初、年中・年少組はクラスごとに園内巡りをします。みんなで幼稚園の中を順に見ていきながら、どんな部屋があるか、入ったら危ない場所はどこかなどを確認するのです。
園児が触らないように注意が必要な場所も意外と多くあります。
それを、何でもかんでも「ここはダメ、あそこもダメ」とは言わずに、別な伝え方で、何か柔らかいけれど、しっかり伝わる方法はないかと先生達が考えたマークです。
消火器・避難用すべり台の扉・給食を運ぶダムウェーター(用品専用エレベーター)・管理棟へ行くドアなどに貼りました。「ぶたさんのマークを探そう」と園内を巡ると、
「あ、あそこ!」「ここにもある!」
と、自分から意識して探すようになりました。
伝わりやすいのか、年少児が
「ダメだブーあるよ。」
と、私にも教えてくれました。
ご家庭でも試しに使ってみてくださいね。言葉だけでも、印象に残っているようです。
「ここは、ダメだブー!」と、言ってみてください。「幼稚園と同じだね!」と、効き目もあるとよいのですが…。
このように、安全に園生活が送れるように、教職員だけでなく保護者の皆様にもご協力いただき、園全体で安心安全な環境づくりに取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、子ども達はというと…クラス関係なく、いろいろな場所で様々な遊び方をしています。
年少組では、Bブロック(Bの形をした2つ穴のブロック)をひたすら長~く長~くつなげて楽しんでいる年少児達。
2階の年長組では、年長組にしかない複雑なパーツがあるブロックに目を輝かせながら、いろいろなものをつくっている年長児達。
園庭では、カラフルな10色のクラス帽を被った子ども達が、混ざり合って様々な遊びを繰り広げています。まだ、遊びたいものが見つからず、なんとなく散歩している子もいます。
クラスの関わりが深まってくると、同じ色の帽子の子が集まって遊んでいる光景が見られるようになってきます。楽しみですね。

靴を履き替えていた年中児に、「靴を履くの、とっても早くなったね。さすが年中組!」
と、声を掛けると「うん、見てて!」と、ぴょんぴょんその場で跳び始めました。
だいたいは、「速く走れるようになったよ!」と、走って見せてくれることが多かったので、
ちょっとビックリ。
「こんなに高く飛べるようになったよ。」と、私に見せてくれたのです。
「かえるさんだよ!」だそうです。
「ほんとだ、たくさんジャンプできるようになったんだね。素敵なカエルさん。」
こんなかわいい会話ややりとりを、先生達は毎日楽しそうに園児が帰った後、しているんです。明日は、どんな会話が生まれるのでしょう。とても楽しみです。

2023年05月

「自分で○○」

年長組保育室で、あさがおを植える準備が始まった5月初めの頃。
これから育てる植木鉢一つ一つに土の袋が入っていて、部屋の隅に並べられていました。
子ども達は、この様子に興味を示しているかな?
どんな答えが返ってくるかな?
そんな気持ちから、聞いてみました。
「何を植えるの?」
「…たんぽぽ?」と言う子、「…あさがお?」と首をかしげる子。
みんな、なんだかあいまいです。
「いいね。年長さんだけのお楽しみだね。何色の花が咲くと思う?」
「きいろ」「あか」
「むらさき」(このあたりから、昨年園庭で咲いていたあさがおの様子を思い出し始めた模様)
「うすむらさき」
友達の言葉に耳を傾けていた男児が、ニコッと笑って元気に言いました。
「にじいろ!!」
そんな花が咲くといいですね。何色の花が咲くかは、これからのみんなのお楽しみです。
園庭では、あさがおの葉がぐんぐん伸びてきています。
「○ちゃんのあさがおは、どこかな?お母さんにも見せて。」
と、土曜参観などの来園の機会にぜひ興味を持ってご覧ください。
とても貴重な体験ですね。一緒に、大きくならないことを心配したり、つるの巻き具合に驚いたりしながら、初めての「自分のあさがお」に、共感してあげてくださいね。
私達大人が思うよりも敏感に、繊細に、子ども達は葉の伸び具合、花の付き具合に一喜一憂。子ども達の思いが、何倍にもなることでしょう。

園隣の畑での収穫体験も、子ども達にとってはとても大切な出来事です。
進級前の3月。1個の種芋を半分に切って年中・年少組が植え付けをしました。
いもの切り口から出る汁(でんぷん)がべたつき、若干嫌悪感を抱きながら体操着に手をこすりつけている子もいましたが、
「おおきくなあれ!」と念じて土をかぶせた種芋。
そこから、ぐんぐん生長する様子を畑でじかに観察しながら迎えるいも掘りは、どこかへ出かけて収穫するいも掘りとは、思いが違うと思うのです。
今年は、どれだけの新じゃがが収穫できるのでしょうね。楽しみです。

「自分で植えた」
「自分で水やりをし、支柱を立てて世話をした」
そんな「自分で」が一つ加わると、全く違った世界が見えてくるのです。
ご家庭でも、子ども達ができる「自分で」を見つけてみてください。
花や虫、飼っている動物だけではありません。命あるものではなくても、「自分で手塩にかける」何かがきっとあると思うのです。探してみてくださいね。

2023年06月

こどもの約束・おとなの事情

「クラスで遊ぼう」では、保護者の皆様にご協力いただき誠にありがとうございました。
会話の中で名前が出てきた子は、どの子でしょう。後日入園進級写真と合わせて名前入り写真のコピーもお渡しする予定ですので、お楽しみに!

さて、仲良くなってきた子ども達から聞こえてくる会話の中に、
「これから公園で一緒に遊ぼう。」「○○ちゃんと児童館で待ち合わせの約束したよ!」
「帰ったら、僕の家に遊びに来てね。」
といった、降園後の約束について耳にすることも増えてきました。
迎えに来たお母さんは、びっくり!
「え~っ、今日はスイミングの日だから遊べないよ。」
「お母さん、これから用事があるんだ…どうしよう。」
と、戸惑う様子もしばしば。
子どもがした約束はちゃんと守らなくちゃいけないけど、でも大人の事情もあって…と、考えこんでしまっている方もいらっしゃいます。
友達と仲良くなると、子ども達は「誰かと約束すること」を楽しむようになります。
だから、私はいつもお家の方にも聞こえるように言うのです。
「家に帰ってからのことは、お家の人がいいと言わなければ、まだ約束にはなっていないよ。」
と。大人はいろいろ用事もあるから、そうはっきり言っていいと思うのです。
ただし、毎回「ダメ」は厳しいですよね。いつなら大丈夫なのか、伝えてあげてください。
仕事をしているから、平日は遊べないご家庭もあるでしょう。その場合は、しっかりそのことも伝えてください。
「お母さんは毎日仕事しているから、帰ってからお友達と約束して遊ぶことはできないの。
だから幼稚園でい~っぱい遊んでね。」と。
先生達も、子ども達と約束する時には、
「砂場で待ち合わせね。」とか、「今はお手紙配ってるから遊べないけど、お弁当食べた後なら遊べるよ。どこで待ち合わせにする?」
などと具体的に伝えています。子どもとした約束は守るべきだとは思いますが、大人が無理しすぎてストレスを抱え込むことはないと思うのです。
子ども達は、柔軟です。
「そうか、今日はダメか。」「じゃあ、また今度遊ぼう」
と諦めたり、前向きに気持ちを切り換えたりしていくものです。
だから、また約束してないかハラハラすることはないのです。大人の事情をしっかりはっきり伝えてください。そうして、折り合いを付ける・がまんする・調整する・交渉するなどいろいろ経験することで、コミュニケーション能力を育てていきましょう。
なんでもかんでも自分の思いが通ってしまう生活では、成長はできませんから。

今日も子ども達は、楽しげに約束したり、様々な宝物を手に持ったりして帰って行きます。
廃品でつくった何か、まだ青くて固い柿の実の赤ちゃん、園庭で拾い集めた様々な形の葉っぱ、石拾いの時間に見つけたちょっと変わった形の小石…お家の方に見せるのを楽しみにしていてなんとも微笑ましい帰り道です。

2023年07月

せんたくかあちゃん

「『せんたくかあちゃん』みたいだね。」
水遊びの終わりに、シャワーに並んでいた子どもから出た言葉です。
バケツに張った水で、スモックをジャブジャブ洗っているのを見て、絵本「せんたくかあちゃん」を思い出したのでしょうか。私も、その言葉で楽しくなってきました。
「ほんと!せんたくかあちゃんだ!どんどんあらっちゃうからね!!」
意思疎通できたことでその子もうなずいて笑ってくれました。
絵本の中の「せんたくかあちゃん」は、たらいで何でも洗い、どんどん洗い、しまいには、カミナリ様まで洗ってしまうんです。
今の季節にぴったりのとても楽しい絵本です。まだ読んだことがない方は、ぜひ図書館などでご覧くださいね。お勧めです!(「せんたくかあちゃん」さとう わきこ作・福音館書店)

さて、保護者の皆様には、帰宅後の後始末や洗濯をありがとうございました。
大変ですよね…。
水着やタオルだけならまだしも、どろんこの体操着や砂だらけのサンダルなどなど。
水遊びが始まったばかりの頃は、園のスピード洗濯では落ち切れていない泥の跡が残った体操着などのおみやげをみて、
「何かあったのかな?」
と驚いた方もいらっしゃって、担任の説明を聞いて、「ああなるほど、そういうことか」と納得していただいたこともありました。
逆に、「本当にありがとうございます。家庭ではこんな(ダイナミックな)遊び方はできないので、どんどんお願いします。」と声を掛けてくださった方もいらっしゃいました。
スモックが乾かなくても大丈夫です。またすぐに水でびしょびしょになるのですからそのままお持たせくださいね。(ただ使わない日もあるので、「かわいていません。」と一言付け加えてください。)

3年もの長い間、待ちに待ったプールなどなど…。
本来遊ばせてあげたかったことができるようになり、私達教員も体力消耗し、くたくたになりながらも嬉しくて仕方がありません。これが本来のおざわ幼稚園の姿なのです。
ようやく本領発揮です!
水や砂に抵抗があった園児も、徐々に慣れてきている様子です。無理せず、少しずつ楽しめるようになってほしいと思います。
大きな水たまりに座り込んで、生ぬるい水の感触を体感している子。水と土を混ぜて、コーヒー牛乳をつくっている子。園庭の真ん中で、ホースの真下でびしょ濡れになっている子。
濡れた砂を手で握って水で崩れていく様子を楽しんでいる子。…みんなそれぞれ、様々な遊び方をしています。友達や年長組の様子を見ながら、遊び方も広がり変化してきています。
どんどん遊ぼう!もっと遊ぼう!
だって、幼児期の今しかできない遊びなのですから。

まだまだ続きます。水遊び、泥遊び…。
夏期保育までは、どうかお付き合いください。礼

2023年09月

笑顔で応援!!

長かった夏休みの間、保護者の皆様お疲れ様でした。2学期開始直後は、「ようやく幼稚園が始まってほっとした」という会話が、通園時に聞こえてきました。
9月からは幼稚園にお任せください!みんなで楽しんでいきますね。
時期を夏に戻して実施した「なつまつり」でしたが、猛暑により学年ごとにホール開催となりました。なんとか無事に終了できたのも、保護者の皆様のご理解ご協力によるところが大きかったと思います。大変暑い中での送迎、応援を心より感謝申し上げます。
ホール内では、スマホやビデオカメラがずらりと並び、撮影しているみなさんのニコニコ顔が印象的でした。中には「アイスクリームのうた」を子ども達と一緒に口ずさんでくださる方もいらっしゃいました。素敵ですね!
学年ごとにはなりましたが、練習では「園庭で全学年集まって」楽しく踊っていましたよ。
その経験があるから、それを思い出しながら当日も楽しめたのだと思います。ご安心ください。
また、「えのぐまつり」も、係の方が笑顔で応援してくださいました。
脱ぐ時などに子ども達の絵の具が付いてしまった係の方もいらっしゃいましたが、
「すみません!」と声を掛けると、「全然大丈夫です!!」と、みなさん笑顔でかかわってくださいました。暑い中本当にお世話になりました。

~えのぐまつり係の感想より(一部抜粋)~
(年少保護者)
○家ではなかなか経験させてあげられないダイナミックな絵の具遊びに子ども達も大喜びでとても楽しそうでした。
○4年ぶり?の活動だったようなので、復活するのにあたって話し合い等大変だったと思います。このような楽しい活動を復活していただき、ありがとうございます。
(年中保護者)
○…今年は暑さのためサンダル着用でやり、先生達も子ども達も臨機応変に対処していて感心しつつも、先生達同士はもちろんのこと、先生と子ども達の絆を改めて感じました。
○暑い中、先生達の大変さにとても頭が下がりました。準備から何まで子ども達の笑顔のために、一生懸命やっていただいているのだなと感じました。…
(年長保護者)
○暑い中、子ども達は楽しそうに自分の服に絵の具を塗ったり、お友達の服に塗り合いっこしてみたり。また、お顔に塗ったりしている子ども達もいたりして、本当に見ていて楽しそうでした。先生のお顔も絵の具でびっしりで、おもわず笑ってしまいました。絵の具を落とす際に、年長さんは自分で服やらパンツやらを脱いでくれる子もいて、さすがっ!!と、立派なお兄さんお姉さんになっている姿が頼もしく思いました。今年度最後の園生活ですが、本当に参加できて良かったです。

水遊びを十分に楽しんだ1学期。2学期は、思い切り体を動かして遊ぶ「運動遊び」が多くなります。普段エアコンの中で過ごすことが多い子ども達にとって、外で思い切り体を動かすことはとても大切な経験であり、体力も付きますね。
例えば「鬼ごっこ」は、「全力で走る」「いきなり止まる」「急に方向転換する」など、体の発達のための大切な要素がたくさん入っている遊びです。遊びを通して体の様々な部分を動かして、病気に負けない体づくりをしていきましょう。
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